映画「すみっコぐらし」を井ノ原くんに釣られて見て号泣したV6ファンの感想

 井ノ原くんがかわいらしいアニメ映画のナレーションを担当するというので映画「すみっコぐらし」を見てきたんですが、マジでめちゃめちゃ泣いてしまって色々吐きだしたいことがあるので久々にブログを書いています。すごくすごく良い映画だった…

 今年一ぐらいで泣いたので目が超赤くて痛くなったし、その目のままパンフ買ったのでめっちゃ恥ずかしかった…というかもう内容を思い出すだけで泣きそう、今ピンクの花を見るだけで泣けてくるわ…

※具体的内容を含む部分は折りたたみにしてますが、ぼんやりとしたネタバレを全体に含んでいるので、ネタバレ絶対嫌!という方は読まないほうがいいです。

 

 

 

 

 まずストーリーを120%活かす演出がすごく良かったです。要約して語ってしまえばものすごく斬新なストーリーというわけではないと思うんですが、演出?というか見せ方がとにかくキャラクターの心情をひしひしと伝えていて、演出に泣かされるシーンが多々ありました…

 「ものすごく斬新なストーリーというわけではない」とは書きましたが、これは世の中の創作物全体で言えばの話であって、正直子供向けのコンテンツでこんなにメタ的に凝った話をやるんだ…と驚きました。でもこういう風に子供向けのコンテンツでこんな話をやるんだ!と驚いたこと自体、「子供向け」というものをどこかでなめてたのかもしれない…とちょっと反省してます。思い返してみれば、セレビィの映画とかコナンの「ベイカー街の亡霊」とか、展開が重かったりテーマが社会的だったりする(一般的には)「子供向け」の映画って私が子供のころからけっこうあったもんな…メインの客層に子供たちを想定しているからこそ、変にひねったことをせず重いテーマをまっすぐに伝えるつくりになっていて、それが成人の私にも刺さったのかなあ、と思いました。

 構成もズルいんですよ、前半で観客をすみっコちゃん達のかわいさ漬けにして感情に対する防御機能を極限まで落としてから後半のあの展開に突入するので、もう泣き展開への防御力めちゃ下がりの脳にはそんなの耐えきれず号泣してしまうという…前半と後半がきれいに分かれている構成が見る側の感情の落差を大きくしてて、泣く展開が来ると分かってるのにもうまんまと泣かされました。思う壺ですわ…



 ここまで泣いたシーンとかここがつらいとかそういう話ばっかりしてきたんですけど、私この映画は別に鬱展開とかそういうところが魅力なわけじゃないと思ってて、とにかくキャラクターたちの優しさとか真心が胸を打つところ、そして物語全体の後ろに感じられる世界観がこの映画の魅力の根幹をなしていると感じてるんですよ…ここから細かく書いていきます。

 映画の終盤で、結局

っていうすごく切ない結末を迎えるんですが、登場人物みんなが本当にそれぞれの優しさを持っていて、それによって最後の最後に心温まる出来事が起こる…という、私はこの優しさこそが映画の主題だと思ったんですね。世界はどうにもならないことが多いけど、優しさとか思いやりでお互いの切なさとかままならさを少し癒すことができるよね、みたいな希望を私はこの映画から感じたんですが、これが「すみっコぐらし」そのものの世界観なんだろうか…そうだとしたら映画の中でその世界の魅力が最高に表現されきっていると思いましたし、私は「すみっコぐらし」というコンテンツ自体にめちゃめちゃ興味を持ちました。恥ずかしながらこういう世界観のキャラクターだとは全く知らなかったので…知ってる人からしたらこのシビアな世界観もそういうもんでしょうって感じなのかもしれないんだけど、マジで何も知らずに行った私は結構な衝撃を受けたよ…

 私はお話の中でぐらい希望のある世界を見たいと思っている人間なんですけど、希望があればなんでもいいわけじゃなく、ご都合主義の優しい世界、つまりハッピーエンドに向かいさえすれば論理が破綻しててもオッケー!みたいなシナリオは嫌いなんです。どうにもならないことはどうにもならないままであって欲しくて、でもその中でキャラクターが希望や他者への思いを持って行動する話が好きで…どんぴしゃこの映画のストーリーが刺さったんですわ…



 そして映画として面白かった・感動したというだけではなくて、見た後に個々のキャラクターも好きになっているという、キャラクターの魅力がちゃんと伝わる映画だったところもとても良いと思いました。私は映画直前に公式サイトをチラッと見たぐらいの知識しか持ってなかったんですが、事前情報をほとんど持っていなくても(というか全く知らないまま見ても)それぞれがどんなキャラクターなのか冒頭の説明で知ることができるという構成がありがたかったし、本編の中でもこの子はこういう個性を持っているんだな、と知ってどんどんすみっコたちに愛着が湧いていきました。





 感性は人それぞれなので10人見て10人が泣くかと聞かれたら肯定はできませんが、少なくとも私にとってはものすごく泣ける映画でしたし、泣けると言ってもことさらに悲劇を強調するようなものではなくて、切ないストーリーとキャラクターの優しさが本当に丁寧にまとめられている、とても良い映画だったと思います。

 とりあえず私はすみっコぐらしの世界をもうちょっと知りたいんですけど何から始めるのが良いんですかね…?絵本を買えばいい?











 ここからはV6ファンとしての感想です。

 うまくまとめられてないんですけど、この映画を見ている間、V6を見ているときと同じ脳の部位が刺激されている感じ、私にグッと迫ってくるポイントが似ているなという気持ちになってました。なんというか、世界にはままならないことや悲しいことがいっぱいあるけど、少なくともここには「善いこと」を善いとする価値観があるっていう安心感?信頼?を感じたというか…作り手が、優しさとか思いやりをちゃんと価値のあるものであると描き、認めてくれている*1ような気がして、やっぱり私はこういうものが好きだな、と思いました。

 そして井ノ原くんのナレーション、映画の観客として聴いてもアイドルファンとして聴いてもめっちゃめちゃ良かったです…観客の気持ちを代表する優しいお兄さんといった雰囲気で、井ノ原くんの声質とナレーションがとてもマッチしてたと思います。全編優しい声でいくのかと思ってたけど、おふざけ声とかビビった声とかも聴けて大変嬉しゅうございました…双方の持つ優しい雰囲気がとてもよく噛み合ってたので、また何かの形でお仕事で関わってくれたら超嬉しいな…以上です!!

*1:実際そうか確かめる方法はないんですが